ウィーン一人旅2泊3日。カールス教会の「四季」とベルヴェデーレ宮殿

青空の下に広がるベルヴェデーレ宮殿上宮と庭園 旅の記録
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クアラルンプール、ロンドン、プラハと渡り、この旅の4都市目がウィーンだった。プラハからは、Omioで予約したバスで陸路を移動した。飛行機のように空港を挟まないからか、国境を越えたという感覚はあまりない。バスを降りれば、そこはもうウィーンだった。

ここで過ごすのは2泊3日。ウィーンに来る前から決めていた予定は、初日の夜にカールス教会で聴くコンサートくらいだった。

プラハからウィーンへ

宿はJimmy’s Apartments Lory。寝室と小さなキッチンがあり、2泊するには十分な部屋だった。

Jimmy's Apartments Loryのキッチン
Jimmy's Apartments Loryのベッドルーム

Trip.comでJimmy’s Apartments Loryを確認する

荷物を置いて、そのまま街へ出た。この日の夜にはカールス教会でコンサートを聴く予定があったが、それまでの時間に細かな行き先は決めていなかった。ホテルを出てからはかなり長い時間を歩いた。まだ土地勘もなく、通りを進みながら周囲を眺めていった。

途中、道路標識に「ENDE」と書かれているのが目に入った。そこであらためて、オーストリアはドイツ語圏なんだなと思った。バスで国境を越えたときにはほとんど意識しなかったのに、街を歩き始めると、こういう小さなところで国が変わったことを感じた。通りには路面電車も走っていて、その姿を見ながら、ヨーロッパは路面電車が多いんだなと思った。

歩いている途中には、広くて緑の多い公園もあった。かなり歩いたところでStöckl im Parkを見つけて入った。頼んだのはシュニッツェル。事前に調べていた店ではなく、ウィーンで最初の食事は、歩いている途中で偶然入った店のシュニッツェルになった。

食事を終えたあとも街歩きを続けた。日が傾いてきた頃、たどり着いたのがカールス教会だった。緑のドームと2本の円柱が、暮れかけた空を背にして立っている。

夕暮れのカールス教会。緑のドームと2本の円柱

カールス教会で聴いたヴィヴァルディ「四季」

この夜は、Klookで予約していたヴィヴァルディ「四季」のコンサートがあり、席はミドルセクションだった。

Klookでカールス教会の「四季」コンサートを確認する

演奏が始まると、弦の音が石造りの堂内に広がっていく。昔、自分もピアノを弾き、トランペットを吹いていた。楽器から離れてずいぶん経つが、生の演奏を聴いていると、その頃のことを思い出した。天井を見上げると、金の装飾に彩られたドームが見えた。

カールス教会内部のオルガンと天井画

演奏の途中では、教会の音響設備から終演を告げるアナウンスが誤って流れるハプニングもあった。それでも奏者たちは手を止めず、その場を笑いに変えながら演奏を続けていた。予定していたコンサートの中で起きた、思いがけない一幕だった。

ザッハトルテから始まった2日目

翌日は、ザッハトルテを食べようとCafé Sacherへ向かった。ところが、店の前まで行くと長い列ができていた。そこまでして並ぶ気にはなれず、別の店へ向かうことにした。

代わりに入ったのが、Kärntner Str. 21にあるHeinerだった。ザッハトルテとカフェラテを頼んだ。

Heinerで食べたザッハトルテとカフェラテ

生クリームを添えたザッハトルテを食べながら、その場でスマートフォンを開き、Klookからベルヴェデーレ宮殿のチケットを予約した。ベルヴェデーレ宮殿は出発前から予定していた場所ではなく、ウィーンで迎えた2日目、その日のうちに行くことを決めた。

Klookでベルヴェデーレ宮殿(上宮)のチケットを確認する

Heinerを出たあと、宮殿へ向かいながら旧市街を歩いた。見上げると、まずシュテファン大聖堂の尖塔が視界に入った。モザイク状の屋根瓦は、地上から見ても模様がはっきり分かった。大聖堂の周囲では、観光用の辻馬車が客を待っていた。

シュテファン大聖堂のモザイク状の屋根瓦と尖塔
ウィーン旧市街を走る観光用の辻馬車

ホーフブルク王宮の前を通り、グラーベン通りへ出ると、かなり混み合っていた。この日はキリスト昇天祭の祝日だった。ペスト記念柱の周囲には観光客や買い物客が集まっていた。

大通りを外れると、人の流れも少し落ち着いた。建物の間からシュテファン大聖堂の尖塔が覗く路地もあった。そんな道を歩いていて足を止めたのが、Schuhwerkstatt Petkovという靴店のショーウィンドウだった。

Schuhwerkstatt Petkovのショーウィンドウに並ぶ革靴

何足もの革靴が並ぶ中、ショーウィンドウの中央に置かれた、ひときわ大きな一足が目に入った。周囲の靴と比べても明らかに大きい。磨かれた革の光沢を眺めているうちに、9年前のことを思い出した。

ロンドンを訪れ、ノーサンプトンの工場やSavile Rowを歩いていた頃だ。当時は靴職人を目指していた。ウィーンの路地でその大きな一足を眺めながら、思いがけずその頃の記憶につながった。

さらに歩くと、リング沿いの大きな通りに出た。旧市街の細い路地とは景色が変わり、大きな建築が道の両側に並んでいた。

ベルヴェデーレ宮殿とクリムト「接吻」

ベルヴェデーレ宮殿では上宮へ入った。ギャラリーを歩き始めて、最初に目に留まったのは金地の三連祭壇画だった。そこから展示室を進んでいった。

そして、その先にあったのがグスタフ・クリムトの「接吻」だった。金色に包まれた男女の姿を、しばらくその場で眺めていた。

グスタフ・クリムト「接吻」

作品を見たあと、一度庭園へ出た。テラスから見渡すと、整えられた庭園の向こうにウィーンの街並みが広がっていた。

ベルヴェデーレ宮殿の庭園から望むウィーンの街並み

再び宮殿内へ戻り、大理石の間へ向かった。シャンデリアの向こうに人物群像のフレスコ画が広がり、隣の間にも金と白を基調にした装飾が続いていた。見学を終えて外へ出ると、白い外壁と緑青色の屋根を持つ上宮が庭園の向こうに立っていた。

宮殿を出たあと、Argentinierstraße 49のCafé Goldeggへ入った。ここでも頼んだのはザッハトルテ。

Café Goldeggのザッハトルテとカプチーノ

最初から食べ比べようと考えていたわけではない。朝にCafé Sacherの列を見てHeinerへ入り、そのあとベルヴェデーレ宮殿を歩き、帰りにもう一軒カフェへ入った。結果として、同じ日に2軒でザッハトルテを食べることになった。同じザッハトルテでも、店が変われば味も口当たりも違う。Café Goldeggを出たあとも、そのまま街歩きを続けた。

出発まで、もう一度ウィーンを歩く

3日目は5月30日。ベネチアへのフライトは17時35分発だった。チェックアウトを済ませてもまだ時間が残っていたので、空港へ向かう前にもう一度街を歩いた。

リング沿いを進むと、まず国会議事堂が現れた。その前にはパラス・アテナ像が立っていた。そこから歩いて市庁舎へ向かうと、尖塔を持つ建物に赤と白のオーストリア国旗が何本も掲げられていた。

市庁舎前の公園を抜けると、フォルクスガルテンのバラ園に出る。空は曇っていたが、赤やピンクのバラが咲いていた。

オーストリア国旗が掲げられたウィーン市庁舎
フォルクスガルテンのバラ園。色とりどりのバラとテセウス神殿

さらに進むと、再びホーフブルク王宮の敷地へ戻ってきた。今度は新王宮側で、半円を描くファサードの前には英雄広場が広がっていた。そこではテントやブースが並ぶイベントが開かれていて、歩いている途中で偶然出会ったイベントだった。

街歩きを終え、カフェでパンオショコラとコーヒーをとってから空港へ向かった。

空港ではPriority Passで利用できるラウンジに入り、搭乗までそこで過ごした。17時35分発の便に乗り、2泊3日のウィーンをあとにした。次の目的地はベネチアだ。

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