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10年以上カジュアル服を持たない。40代ソロトラベラーの「トラウザーズ&ベスト」という身軽な最適解

ノーザンテイラーでオーダーしたベストの背面。バーガンディのキュプラ裏地とアジャスターベルトのディテール 旅の装備
本記事はプロモーションを含みます。

10年以上、カジュアルな服を持たないという選択

12投稿目 ベスト前面

身軽さと品格は両立できるか。そう聞かれることがあるが、自分の中ではこの問いそのものが存在しない。理由は単純だ。もう10年以上、ジーンズのようなカジュアルな服を一着も持たずに過ごしている。

荷物を減らす旅と聞くと、デニムやスニーカーのような格好を思い浮かべる人は多いはずだ。機能性を優先するほど、ふと立ち寄った老舗のカフェや、品のいいレストランで自分だけが浮いてしまう。そういう不安もよく聞く話だ。だが、自分の場合はそもそもカジュアルとフォーマルという二つの選択肢の間を行き来していない。手持ちの服そのものが、最初から一段の格を保っている。

旅だからといって、シャカシャカした素材の機能性ウェアに着替えるということもしない。日常で着ているものを、そのまま旅にも持っていく。旅とは特別な衣装が必要な非日常ではなく、日常の延長線上にあるものだと考えている。荷物の数を絞り込んだ分だけ、一着一着の基準を上げる。それだけのことだ。

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札幌「ノーザンテイラー」で仕立てる、一生物のピース

下着や、ロングホーズ(膝下まで丈のある靴下)、ネクタイやポケットチーフは既製品で揃えている。一方で、トラウザーズ、ベスト、シャツについては、すべて札幌・元町にあるテーラー「ノーザンテイラー」でオーダーしたものを着ている。

トラウザーズとベストの生地は英国の名門ファブリックメーカーのものを選ぶことが多い。高密度に織られた英国ウールには、既製品にはない重みと落ち感がある。シャツも同じテーラーでのオーダーだが、生地は英国にこだわらず、肌当たりの良さとコーディネート全体への馴染みで選んでいる。ブロードやオックスフォード、シャンブレーなど、生地の種類は一着ごとに変わる。

荷物にTシャツは入れていない。ベストの下に重ねるのは、常にこのオーダーシャツだ。見えない部分だからこそ手を抜きたくないという思いから、下着やロングホーズも着心地のいいものを選んで持っていく。

ジャケットとベスト、トラウザーズを毎回セットアップとして揃えることはしていない。きちんとしたスーツを仕立てるとき以外は、ベストやトラウザーズを単体でオーダーし、過去に仕立てた一着に合わせて新しい一着を作る。そうやって一点ずつ増やしていくことで、手元にある組み合わせの幅は少しずつ、しかし確実に広がっていく。

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「シワにならない服」を探すより、ホテルでアイロンをかける余裕を

ノーザンテイラーのオーダーシャツ。GIZAコットン100%のブルーストライプ生地とタブカラーのディテール

旅の服選びというと、「シワにならない機能性」がまず語られがちだ。だが上質な天然素材のウールやコットンは、長時間着続ければシワになるのが当然だ。シワにならないことを基準に生地を選ぶのは、品格の方を諦めることに近い。

大切なのは、シワを避けることではなく、シワと向き合う時間を持つことだと思っている。ホテルに着いたら、自分でアイロンをかけて翌日のために服を整える。この一手間こそが、大人の旅らしい余裕だ。

常宿としてヒルトン系列を選ぶ理由の一つも、ここにある。客室にはアイロンとアイロン台が備え付けられていることが多く、夜のうちに服を整えておけば、翌朝は何も考えず袖を通すだけでいい。

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カジュアルとフォーマルの境界線をなくす

12投稿目 ベスト背面

トラウザーズとベストのこの組み合わせには、レストランに入るために「着替える」「切り替える」という発想がそもそも必要ない。ちょっとしたレストランであれば、何も気にせずそのまま入れる格を、すでに持っている。

ファストファッションが街にあふれる今の時代、テーラーで仕立てたこの普段着は、かえって格上に見られることすらある。どこへ行っても、堂々と振る舞えること。それが、このスタイルを貫く一番の理由だ。

まとめ:行き先の空気と気温で、布地を選ぶ

春夏の旅は、これで完結する。あとは行き先の気候に合わせて、生地の厚みを変えるだけでいい。

盛夏に向かう旅ではニッカーズスタイル、気温が下がる秋冬の旅ではツイードのカントリースタイルと、季節によって装いを変えている。そして、この一式を支えているのが、10年以上ローテーションしながら手入れを続けてきた靴の話だ。それぞれの装いについては、次の記事で書く。

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