もう10年以上、ジーンズやTシャツといったカジュアルな服を持っていない。春から初夏、あるいは夏でも比較的涼しい地域を旅するときは、トラウザーズ、シャツ、ベストを着ることが多い。
旅のために特別な服装を用意しているわけではない。その季節に着ているもののまま家を出る。この記事では、暑さの厳しくない時期に使っているトラウザーズとベストを軸に、仕立て方や生地、シャツ、足元までまとめている。
Northern Tailorで、一着ずつ仕立てる
トラウザーズ、ベスト、シャツは、札幌・元町のNorthern Tailorでオーダーしている。下着、ロングホーズ、ネクタイ、ポケットチーフなどは既製品だ。
スーツを仕立てるとき以外は、ジャケット、ベスト、トラウザーズを毎回セットアップとして揃えることはしていない。ベストやトラウザーズを単体でオーダーし、すでに手元にある服とどう組み合わせられるかを考えながら、一着ずつ足していく。
この作り方だと、新しい一着が加わるたびに、既存の服との組み合わせも増えていく。一度に揃えるのではなく、時間をかけて手持ちの幅が広がってきた。

ベストの背面にはキュプラを使い、色は表地や合わせるトラウザーズとの組み合わせを見ながら決めている。バーガンディは好きな色なので、選ぶことが多い。このベストも背面をバーガンディにし、ウエストにはアジャスターベルトを付けている。
シャツも、旅用には変えない
旅先だからといって、シャツをTシャツや旅行用の一枚に置き換えることはしない。ベストの下に着るのは、普段と同じオーダーシャツだ。


襟型は一種類に絞っていない。イタリアンカラーのシャツはGIZAコットン100%で、ブルーとピンクの2色。タブカラーのシャツも同じくGIZAコットン100%で、こちらはブルーストライプの生地にしている。
ブロード、オックスフォード、シャンブレーなど、生地も一着ごとに違う。同じシャツでも襟の形や生地が変わり、そこに手持ちのベストやトラウザーズを組み合わせていく。旅先でも、その日の服は普段の選択肢の中から決まる。
生地は、季節と行き先の気温で選ぶ
トラウザーズやベストでは、英国の生地を選ぶことが多い。たとえば手元のトラウザーズには、BATEMAN OGDENのメリノウール・パナマ生地を使ったものがある。

同じトラウザーズとベストという組み合わせでも、行き先と時期によって選ぶ一着は変わる。日中に気温が上がればベストを外してシャツで歩くこともあるし、涼しくなればまた重ねる。旅の予報を見ながら、手持ちの中から生地の厚みと組み合わせを決めている。
ロングホーズまで含めた服装
靴下はHALISONのロングホーズ、No.10606-LONGを使っている。膝下まで丈があり、トラウザーズで座ったときにも素肌が見えにくい。普段からトラウザーズを穿くときに使っている長さなので、旅でも同じものを使う。
トラウザーズ、ベスト、シャツだけでなく、ネクタイやポケットチーフ、ロングホーズまで含めて、普段の服装ができている。旅先だから足元だけ別のものへ替えることはなく、見える範囲が小さいものもいつもの組み合わせの中に残る。
シワが出たら、ホテルで整える
ウールやコットンを一日着て歩けば、シワは出る。旅先でもそこは変わらないので、必要ならホテルに着いたあとでアイロンをかけ、翌日に着る服を整える。
ヒルトン系列に泊まることが多く、客室にあるアイロンとアイロン台も実際に何度も使ってきた。夜のうちに服を整えておけば、翌朝はそのまま袖を通して出られる。シワの出ない服を探すより、このやり方が自分には合っている。
盛夏はニッカーズ、秋冬はツイードへ
ここまで書いてきたトラウザーズとベストの組み合わせは、春から初夏、そして暑さの厳しくない時期の装いだ。さらに気温が上がる盛夏にはニッカーズスタイルへ、気温が下がる秋冬にはツイードを使ったカントリースタイルへ変わる。
季節が変われば、選ぶ生地も服の形も変わる。春から初夏はトラウザーズとベスト、盛夏はニッカーズ、秋冬はツイード。その時期に着ているもののまま、次の旅へ出る。



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