
スーツケースを手放すと決めたとき、次の問題はバッグだった。
機能性重視のアウトドア系バックパックは軽くて便利だが、旅先の洗練されたカフェや、ふと立ち寄った老舗のロースターに入るとき、どこか気後れする。かといって、ただのトートバッグでは旅の道具が収まりきらない。
身軽さと品格を両立できるバッグを探して、たどり着いたのがBillinghamだった。
Billinghamとは
1973年、英国バーミンガム。創業者マーティン・ビリンガムの妻・ロスが、写真撮影を愛する夫のために手作りした一つのカメラバッグが始まりだ。
キャンバス地と上質なレザーのコンビネーション、真鍮の留め具。アウトドアブランドとは一線を画した、英国らしい品格がある。狩猟用バッグをルーツに持つ歴史が、そのデザインの随所に宿っている。
私が使っているのは「CANVAS 305」+「Brady AVON」の二刀流
現在も世界中の旅に連れ出しているのは、Billinghamの『CANVAS 305』だ。
ただし305だけではない。カメラと財布を入れるバッグとして、ゴールドコーストから使い始めたのがBradyの『AVON』だ。英国製同士、デザインの相性も悪くない。この二刀流が、私のパッキングの核になっている。
305には衣類やガジェット、コーヒーミルなどメインの荷物を入れる。AVONにはα6400と財布、モバイルバッテリー。ホテルに305を置いて街歩きに出るときは、AVONひとつで身軽に動ける。本格的に写真を撮り始めると、カメラは首から下げることになるので、空いたスペースにペットボトルを入れておける余裕もちょうどいい。

肉厚なクッションによるカメラ機材の保護性能は、10年使い続けても衰えない。雨の多いロンドンやベネチアの路地裏でも、ラバーを挟み込んだ独自のストームブロック生地が中の荷物を守ってくれる。防水性能は、見た目からは想像できないほど頼もしい。
そして何より、使い込むほどに育っていく。キャンバス生地は柔らかく体に馴染み、真鍮の留め具はくすんだ美しい光を放ち始める。新品の時が一番美しいのではなく、旅を重ねるごとに「自分だけのヴィンテージ」になっていく。大人が長く付き合える鞄とは、こういうものだと思っている。


305は現在廃盤。今から買うなら「System-1」
惜しいことに、CANVAS 305は現在廃盤になっている。
もし今、新しく買い直すなら迷わず『System-1』を選ぶ。305と同等の収納力を持ちながら、機内持ち込み手荷物として持ち込める絶妙なサイズ感が最大の魅力だ。到着後すぐ、手荷物を待つことなく街に出られる。身軽な旅のスタイルとこれ以上なく相性がいい。
まとめ
旅の荷物を減らすことは、我慢でも切り詰めでもない。本当に価値のあるものだけを厳選するということだ。
BillinghamとBradyは、その選択に応えてくれる鞄だと思っている。品格、堅牢さ、経年変化。30代・40代が長く付き合うに値する、英国製の一生モノだ。
ちなみにBillinghamはAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングで、BradyはAmazon取り扱いがないため楽天・Yahoo!ショッピングで購入できる。約10万円という価格をどう捻出するかも旅の知恵のひとつだが、その話はカード術の記事に譲る。


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