

2023年のゴールドコースト、2024年のタイ・ベトナム、そして2026年のカナダ横断。毎年の誕生日を世界のどこかの街角で過ごすことが、いつしかライフワークになっていた。
その中でも2025年に実行した「アジア・ヨーロッパ6カ国周遊」は、これまでの旅の経験を凝縮させた、ひとつの到達点だった。スーツケースを持たず、航空券をパズルのように組み合わせ、6カ国を自由に歩く。その記録をここに残しておく。
点と点をつなぐ。周遊ルートの「パズル手配術」
ヨーロッパへの周遊旅行を自由に楽しむ秘訣は、複数の都市を空路と陸路でどうつなぐか、というパズルにある。
2025年の周遊ルートはこうだ。
1都市目|クアラルンプール
羽田 → クアラルンプール:エアアジアでアジアへの足がかりを確保

特別な目的があったわけではない、気まぐれに選んだ寄り道の街だった。だが2泊すると決めた時点で、もう単なる寄り道ではなくなっていた。早朝7時、荷物をホテルに預けるにはまだ早い時間にそのまま街へ出て、272段の石段を上ったバトゥ洞窟や、優雅な内装のBACHA COFFEEを巡った。初めての街に自分の足で立つという、この旅の最初の儀式のような2泊3日だった。
2都市目|ロンドン
クアラルンプール → ロンドン:マレーシア航空で欧州へ

40歳の誕生日を、9年ぶりに訪れたロンドンで迎えた。誕生日の夜は1798年創業、ロンドン最古とされるレストラン「Rules」を予約した。かつて生地を持ち込んでハンチングを誂えたLock & Co.や、9年前にノーザンプトンで靴を買ったCrockett & Jonesの店構えの前にも、また立った。9年前の自分が今を見たら何と言うだろうと思う瞬間が、何度もあった3泊4日。
3都市目|プラハ
ロンドン(ルートン)→ プラハ:ウィズエアーで移動

世界遺産に指定された街並みに足を踏み入れた瞬間、中世にいるという錯覚に包まれた。かつて兵器庫だったホテルの廊下は、深紅のカーペットと古地図に囲まれ、その錯覚をそのまま引き継いでいた。カレル橋からヴルタヴァ川越しにプラハ城を望み、黄金色に染まる夕暮れの街を眺めた2泊3日。
4都市目|ウィーン
プラハ → ウィーン:Omioで予約したFlixBusで陸路の旅を堪能

決めていたのはコンサートとベルヴェデーレ宮殿くらいだった。予定を詰め込まなかった分だけ、街の本当の表情に出会えた。旧市街の路地からシュテファン大聖堂の尖塔を見上げ、ベルヴェデーレ宮殿の庭園からウィーンの街並みを一望する。シュニッツェルを食べ、ザッハトルテを食べ比べた、余白だらけの2泊3日だった。
5都市目|ヴェネチア
ウィーン → ベネチア:オーストリア航空で効率的に移動

本島にはあえて泊まらない。空港からバスで郊外の宿へ向かい、そこを拠点に本島へ通うスタイルを選んだ。夕方の大運河はヴァポレットのデッキから眺め、三日月が浮かぶリアルト橋を渡った。水の都を歩き通した2泊3日の最後には、思わぬ洗礼も待っていた。
6都市目|バルセロナ
ベネチア → バルセロナ:ウィズエアーで南欧へ

6カ国周遊、最後の街。2泊で宿を変え、どちらもヒルトン系列のホテルに滞在した。最後の夜はバルセロナ空港で明かし、翌日のローマでの乗り継ぎでラウンジに立ち寄って、この長い旅を締めくくった。
このルートを組む際に活用したのがスカイスキャナーだ。目的地を「すべての場所」に設定するだけで、効率的なルートが見つかる。複数の航空会社を組み合わせるほど、選択肢は広がっていく。
陸路移動はOmioを使った。プラハからウィーンへのFlixBus、セントパンクラス駅からルートン空港への鉄道など、都市間の細かい移動を一括検索できる点が便利だ。
スーツケースを捨てよ。大人の「2個持ち装備」

移動の多い周遊旅において、大きなスーツケースは身動きを重くする。石畳の街、狭い路地、ローコストキャリアの機内。そのたびにキャスターを引きずることに、ある旅から限界を感じた。
メインの荷物は英国製の「Billingham」に収め、カメラなどの機材は「Brady」のショルダーバッグに入れて肩から下げる。この2個持ちスタイルが、今の旅の基本形だ。
👉 旅行用に高品質なバッグを。スーツケースを捨てた40代大人が選ぶ英国製一生モノ鞄「Billingham」
服装も、この2個持ちの荷物量に収まるよう選び抜いている。カジュアル服を持たず、トラウザーズとベストを軸に組み立てるスタイルについては、こちらに書いた。
👉 10年以上カジュアル服を持たない。40代ソロトラベラーの「トラウザーズ&ベスト」という身軽な最適解
撮影機材(α6400・Osmo Pocket 4)の選び方については、こちらに詳しく書いた。
👉 【一人旅の最適解】α6400とOsmo Pocket 4。身軽さと質を両立する最強の2台体制
通信と電源の体制も、出発前に整えておく。楽天モバイルの海外ローミングを軸に、周遊日数や都市数に応じてeSIMを追加する。詳しくはこちらに書いた。
👉 到着した瞬間から、旅に集中できる。大人のソロトラベルを支える「通信と電源」の話
ホテルステイを、旅の余白にする


移動が重なるほど、宿での時間が旅の密度を決めるようになった。
ヒルトン系列を拠点に選ぶのは、ゴールドステータスによる客室の無料アップグレードや朝食特典が、チェックインの瞬間から旅を変えてくれるからだ。
2025年の6カ国周遊では、ロンドンの「The Westminster London, Curio Collection by Hilton」でもアップグレードの通知が届いた。翌年のカナダ横断でもカルガリー・バーリントン・空港ヒルトンで3度のアップグレードを体験している。ヒルトン系列を選び続ける限り、この恩恵は繰り返し訪れる。
ヴェネチアでも、本島には泊まらずヒルトン・ガーデン・イン系列を拠点にした。1泊目はヒルトン・ガーデン・イン・パドヴァ・シティセンター、2泊目はヒルトン・ガーデン・イン・ベニス・メストレ。どちらも本島の外にあり、身軽な状態で本島へ通うための拠点として選んでいる。
最後の街バルセロナでも、2泊で拠点を変えながらヒルトン系列を選んだ。1泊目はハンプトン・バイ・ヒルトン・バルセロナ・フィラ・グラン・ビア、2泊目はホテル・ビア・サンツ・バルセロナ、タペストリー・コレクション・バイ・ヒルトン。6都市のうち、ロンドン・ヴェネチア・バルセロナの3都市で同じ系列を選び続けた結果が、こうして積み重なっている。
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トラブルも、旅の一部だ
旅を重ねても、予期せぬ出来事は起きる。ベネチアのバスで60ユーロの罰金を科せられたのも、そのひとつだ。知っていれば防げたトラブルほど、後から書き残しておきたくなる。
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おわりに
大きな荷物を手放し、航空券をパズルのように組み合わせ、カード1枚でホテルが変わる。
そういう旅のかたちが、少しずつ出来上がってきた。誰かの「次の旅」のヒントになれば、それで十分だ。
この6カ国を歩き終えた翌年には、カナダを横断する旅が待っていた。旅は、思っているよりずっと続いていく。


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